【近ごろ都に流行るもの】トマトラーメン 健康志向追い風 赤い定番(産経新聞)

 みそのまろやかなコクとトマトの酸味の重奏が、太い麺(めん)にからみつく。ラーメン激戦地、東京・新宿小滝橋通りに平成21年に出店した「味噌屋八郎商店」で、意表をつく「トマト味噌らーめん」(880円)に出会った。味の大冒険!?と思いきや、たった12席の店で「1日平均80杯出る。一番人気と言っていい」(同店)堂々の名物なのであった。調べてみれば、我らの国民食ラーメンとトマトの融合が多彩に進化しているようで−。

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 「ラーメン店をトマトラーメン専門店に変更したら、1割だった女性客が4割にまで増えました」とは、「太陽のトマト麺」を展開するイートアンドのラーメン営業本部長、福田龍也執行役員(39)。18年の1号店オープンから東京を中心に現在は17店舗に。年商も11億円に拡大した。年内にさらに3店の出店を計画している。

 9割が女性客。休日ともなれば1日約350人が利用する新宿ミロードの店をのぞくと、学生やOL風の女性が赤いラーメンをズズッ〜。「一杯当たり3個分の完熟有機トマトが入っておりビタミンAやC、抗酸化作用のあるリコピンが取れる。女性は食べ物に言い訳を求める傾向があり、『ラーメンだけど健康美容にいい↓食べてよい』とのイメージで支持された。カロリーはウチの通常の塩ラーメンより少し高めの661キロカロリーなんですけどね」と福田さん。

 高齢社会を視野に「健康的でロハスなラーメン」を商品化しようと、野菜とのマッチングを試作するなか「鶏パイタンスープにトマトが絶妙に合った」。豆乳を練り込み卵白でつないだツルツルの特製細麺に鶏チャーシュー。チーズやアサリ、ナスなどの具が好相性なのはいうまでもなし。

 一方、東京・市ケ谷の「黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン」はイタリア料理歴25年の石塚和生さん(49)がオーナーシェフをつとめるラーメン店である。「冷製イタリア麺 赤」(1200円)を頼むと、トマトがビッシリの丼が出てきた。なめらかでコシのある麺を一口すすると、やさしい小麦の風味にフレッシュなトマトの甘さが口いっぱいに広がった。

 「生のミニトマトとフルーツトマトにイタリア産の缶詰のトマトを合わせてます。麺の香りがトマトの酸味に負けないように気を使いますね。調味料はラーメンの塩だれと少しの柿酢だけ。これがぼくのトマトラーメンの完成型」と石塚さんは胸を張った。素材の持ち味を引き出すためシンプルを極めている。「あちこちの店でトマトラーメンが増えたけど、チーズやバジルを乗っけてイタリア風とか…なんか違う。トマトがかわいそうだなって思ったんだよ」

 経営していたイタリア料理店が倒産し、再起を図って出演した「ガチンコ!」(TBS系)のラーメン修行企画が転機となった石塚さん。トマト以外にも生ハムやフォアグラなどの意外な素材でラーメンの新境地を開拓している。

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 担々麺専門店「蒼龍唐玉堂(そうりゅうとうぎょくどう)」では、まるまる一個がゴロンと載った「赤トマト担々麺」(980円)がインパクト大。「15年に目黒店と六本木店で商品化。当時雑誌に『元祖トマトラーメン』と紹介された」とは、展開する際コーポレーション。紅虎餃子房(べにとらぎょうざぼう)など中華系飲食店170店以上を経営する同社では、さまざまな中華業態でトマト担々麺を提供中。最近はトマト餃子も評判とか。

 健康志向によるトマトブームも追い風。今後キワモノで終わるか定番化するのか!? 気になる。(重松明子)

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